人口データ検索ガイド

人口構造・定義・統計調査の基礎概念及び分析方法について 

目次

人口構造を表す指標 ”高齢化”を示す指標
人口ピラミッド 人口の定義や基礎概念について
人口統計の種類と内容 国勢調査と住民基本台帳による人口のちがい
東京都の推計人口と国の推計人口のちがい 「東京都の人口(推計)」と「住民基本台帳による世帯と人口」とのちがい
「住民基本台帳法」の改正(平成24年7月)に伴う集計方法の変更について  人口データを用いた一般的な分析方法について

 

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人口構造を表す指標

人口構造は、以下の指標で知ることができます。

 

1 年齢構造係数(%):総人口に占める年齢3区分別人口の割合   

     (1)年少人口:0~14歳人口

     (2)生産年齢人口:15~64歳人口

     (3)老年人口:65歳以上人口

 

2 従属人口指数(%):働き手の人口に対する扶養される人口の割合

     (1)年少人口指数=年少人口÷生産年齢人口×100

       (2)老年人口指数=老年人口÷生産年齢人口×100

     (3)従属人口指数=(年少人口+老年人口)÷生産年齢人口×100

     (4)老年化指数=老年人口÷年少人口×100

 

3  平均年齢や中位数年齢

平均年齢は、全構成員の平均年齢であり、中位数年齢は、人口を年齢順に並べたとき、人口がちょうど中位(半分)になる年齢です。これらの年齢が高くなるほど人口が高齢化していることを表します。

 

★人口構造を表す指標のExcelの計算方法はこちらへ アイコン画像Excel(52KB)

    *参考:村山孝喜著、「統計データの見方」、日刊工業新聞社       
       岡崎陽一著、「人口分析ハンドブック」、古今書院、pp21-24
       山口喜一著、「人口分析入門」、古今書院、pp137-139

 

 

”高齢化”を示す指標

人口高齢化は、以下の指標で知ることができます。

 

1 人口高齢化の状況を把握する方法として、もっともよく利用されるのが、総人口に対する65歳以上人口(老年人口)の割合です。

総人口に占める65歳以上人口の割合(%)=65歳以上人口÷総人口×100

       ※WHO(世界保健機構)や国連の定義によると、
        65歳以上人口の割合が7%超で「高齢化社会」
        65歳以上人口の割合が14%超で「高齢社会」
        65歳以上人口の割合が21%超で「超高齢社会」とされています。

 

2 人口高齢化の程度を示す指標(老年化指数)

      老年化指数(%)=老年人口(65歳以上人口)÷年少人口(0~14歳人口)×100

  老年化指数は、年少人口との比であるため、65歳以上人口の割合や老年人口指数よりも人口高齢化の程度を敏感に示します。

      *参考:岡崎陽一著、「人口分析ハンドブック」、古今書院、pp21-24

      山口喜一著、「人口分析入門」、古今書院、pp137-139

 

 

人口ピラミッド

人口ピラミッドは、男女、年齢別人口をもっとも明白に視覚的に示したものです。
人口ピラミッドの描き方は、グラフの縦軸に年齢を低年齢から順次高年齢にとり、横軸は左に男の人口数、右に女の人口数をとって描いたものが人口ピラミッドです。
形状には、富士山型、つりがね型、つぼ型、星型、ひょうたん型などがあります。

  ○富士山型あるいはピラミッド型(A)

    出生率が高く、死亡率が高いか、あるいは低下しつつある人口にみられる型

  ○つりがね型あるいはベル型(B)

    出生率、死亡率がともに低い人口にみられる型

  ○つぼ型(C)

    出生率が死亡率よりも低くなった人口にみられる型

  ○星型(D)

    若い人口の流入が多い都市に見られる型

  ○ひょうたん型(E)

    若い人口が多く流出する農村にみられる型

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 人口ピラミッド図の出典:山口喜一著、「人口分析入門」、古今書院、p140

★人口ピラミッドをExcelで作成する方法は 、事例その1アイコン画像Excel(3.4MB)
   事例その2(株式会社 社会情報サービスのページへ)

  *参考:岡崎陽一著、「人口分析ハンドブック」、古今書院、p25
               山口喜一著、「人口分析入門」、古今書院、pp139-140

 

 

人口の定義や基礎概念について

人口の定義

人口とは、一般的に「人の数」であるが、ある地域に住んでいる人の数であったり、ある年齢の人の数など、ある観点から分類された「人間の集団」が人口の定義となります。東京都の人口という場合は、東京都という地域であるから、東京都にいる人間は日本人であろうと外国人であろうと東京都の人口に含まれます。これに対し、東京都の日本人人口という場合は、東京都にいる日本国籍をもつ人間の数となります。各種人口調査では、調査の対象とする人口の範囲を明確に定めています。

 

人口の量と質

人口の量とは人の数のことで、たとえば「平成22年10月1日現在の国勢調査による東京都の総人口は1316万人」ということです。人口の質とは、人口という集団の構造(内容)のことです。例)年齢構造など

 

人口の変動とその要因

人口は、出生の分だけ増加し、死亡の分だけ減少します。出生が死亡よりも上回れば「自然増加」といいます。また、人口は流入(または転入)によってそれだけ増加し、流出(または転出)によってそれだけ減少します。流入が流出を上回れば「社会増加(流入超過または転入超過)」といい、流入と流出とを”人口移動”と総称します。人口移動は、就業や就学、婚姻、住宅事情等の社会的事情によって発生します。

人口の変動は以下のような人口学的方程式によって表されます。

    増加人口=(出生-死亡)+(流入-流出)=自然増加+社会増加

 

人口の”静態”と”動態”

       ○人口静態

    不断に変動している人口について、何年何月何日何時何分現在といったある瞬間的な人口の状態

   ○人口動態

      2つの時点間において人口変動を起こす要素(出生、死亡、転入、転出など)

   *参考:山口喜一著、「人口分析入門」、古今書院、pp9-13 

 

 

人口統計の種類と内容

人口静態統計 :ある時点における人口の状態に関する統計

(1)人口調査(センサス)

特定地域の人口静態をとらえるために行う統計調査を「人口調査(センサス)」といい、「国勢調査」(総務省統計局)のことをいいます。大正9年10月1日午前0時現在をもって第1回の国勢調査が実施され、それ以降5年おきに実施しています。

 

(2)登録人口調査

たとえば、住民基本台帳による人口(総務省自治行政局)などをいいます。
調査事項が住民基本台帳に登録されている人に制限されます。また、このような登録人口は、届出によって登録されるため、発生時期と届出時期にタイムラグが生じることや、公簿への登録もれや訂正遅延などが生じることもあります。

 

(3)人口の推計

人口の推計は、既存の統計を材料とし、何らかの方法で人口を推定することです。
統計が存在しない過去の人口を推計すること(遡及推計)や5年おきに実施される国勢調査の年次間の人口を推計すること(補間推計)、あるいは将来の人口の見通しを行う(将来推計)などをいいます。
東京都の人口の推計は、最新の国勢調査をもとに、毎月1日現在で各区市町村から報告される住民基本台帳に基づく人口変動要素(出生、死亡、転入及び転出)を加除して推計しています。(全国の推計人口はこちら; 総務省統計局
また、東京都の将来人口の推計では、5年ごとの国勢調査の人口をもとに25年後までの常住人口や世帯数及び昼間人口などの予測を行っています。

 

人口動態統計 :2つの時点間における出生や死亡などに関する統計及び転入や転出などに関する移動統計

1 人口動態統計 :2つの時点間における出生、死亡、婚姻、離婚、死産、特定の疾病の発生等に関する統計

 ・「人口動態統計」(厚生労働省)

人口変動を起こす要素のうち、届出を受理した出生、死亡、婚姻、離婚届について公簿に登録されたものを集計した統計で、ある瞬間的な時点のものではなく、1か月間、1年間といった時間的な持続性をもっています。
厚生労働省が所管する「人口動態統計」は、保健所―都道府県を経由して厚生労働省に報告されたものをもとに作成された統計です。

 

2 人口移動統計 :2つの時点間における転入や転出など社会的要因による人口移動に関する統計

 ・「住民基本台帳人口移動報告」(総務省統計局)

住民登録法にもとづく1年間の転入、転出者数を集計した統計です。住民基本台帳ネットワーク(未接続地域は都道府県を経由して報告のあったもの)をもとに集計しています。

*参考:山口喜一著、「人口分析入門」、古今書院、pp14-20 

 

 

国勢調査と住民基本台帳による人口のちがい

人口を知ることができる統計は、大きく分けて2つあります。

    ①国勢調査(総務省統計局)

    ②住民基本台帳による人口(総務省自治行政局)

国勢調査は、統計法第4条に基づき、住んでいるすべての人(外国人も含む)を対象とする国内で最も基本的で重要な統計調査として、5年ごと(西暦下1桁が0と5のつく年)に行われているものです。
一方、住民基本台帳による人口は、住民基本台帳法に基づき、住民登録されいる人の数を集計したものです。
人口は、全数調査である国勢調査の人口を基準に考えられています。
住民基本台帳による人口は、住民登録の変更をしないで転居する人がいるため、住民登録している場所と実際に住んでいる場所が一致しない場合があります。このため、議員定数の決定や地方交付税の算定などの基となる法定人口には、定時点ですべての人口・世帯を調査する国勢調査の結果が利用されています。 (参考:総務省統計局の国勢調査に関するQ&A)

人口データを利用する際には、このような統計の違いに注意する必要があります。なお、住民基本台帳による人口には、平成24年7月の住民基本台帳法の改正により、日本人だけでなく、外国人についても含まれることになりましたので、データを利用する際にはご注意ください。

★住民基本台帳法の改正(平成24年7月)については、こちらへ;
「住民基本台帳法」の改正(平成24年7月)に伴う集計方法の変更について

★国勢調査と住民基本台帳の人口の関係から東京都の人口データを調べる場合は、こちらへ アイコン画像Excel(51KB)

 

 

東京都の推計人口と国の推計人口のちがい

東京都では、5年ごとの国勢調査の間の時点の人口を把握するため、毎月1日現在の「東京都の人口(推計)」を推計し公表しています。
この人口は、最新の国勢調査人口を基準人口とし、その後の毎月の住民基本台帳等による出生、死亡、転入、転出等の増減数を加えて推計した人口です。
国が推計している都道府県別の推計人口も同様の方法で推計されていますが、実際に国が推計した東京都の数値と東京都が公表している推計人口の数値を比較してみると、数値が異なっています。
それは、推計に用いている統計データ等が異なるためです。国勢調査人口については、東京都も国も同じ統計データを用いていますが、その後の毎月の増減数などについては異なっています。
東京都では出生、死亡、転入、転出などすべてにおいて区市町村から直接報告を受けている数値を用いて推計していますが、国では、出生と死亡は厚生労働省による「人口動態統計」のデータを、転入及び転出については住民基本台帳ネットワークの集計値による「住民基本台帳人口移動報告」のデータを用いています。
また、国では47都道府県分の推計人口について、全国の推計人口に一致させるため、繰り返し比例補正計算を行っている点が異なります。(国の推計人口については「人口推計年報」 (政府統計の総合窓口)を参照)

 

 

「東京都の人口(推計)」と「住民基本台帳による世帯と人口」とのちがい

「東京都の人口(推計)」は、5年ごとに行われる国勢調査の間を補う目的で作成している人口です。最新の国勢調査人口を基準(現在は平成22年10月1日現在の国勢調査人口を基準)とし、その後の毎月の住民基本台帳等の増減数を加えて推計した人口です。

一方、「住民基本台帳による世帯と人口(日本人及び外国人)」は、都内の各区市町村が取り扱っている住民登録している人の数(住民基本台帳人口)を集計したものです。国勢調査の人口は、住民登録の有無や国籍に関係なく調査時点において3ヶ月以上住んでいる場所で把握された人口ですが、住民基本台帳による人口は、住民登録している人の数で実際に住んでいる場所と住民登録をしている場所が一致していないケースがあるため、国勢調査と住民基本台帳の人口は一致しません。

よく「東京都の人口(推計)」と「住民基本台帳による世帯と人口」の人口に違いがあるのはなぜか、という質問が寄せられますが、それは上記の理由によるものです。

なお、住民基本台帳による人口には、平成24年7月の住民基本台帳法の改正により、日本人だけでなく、外国人についても含まれることになりましたので、データを利用する際にはご注意ください。

★住民基本台帳法の改正(平成24年7月)については、こちらへ;
 「住民基本台帳法」の改正(平成24年7月)に伴う集計方法の変更について

 

 

「住民基本台帳法」の改正(平成24年7月)に伴う集計方法の変更について

平成24年7月の改正住民基本台帳法施行前までは、外国人は外国人登録法が適用され、住民基本台帳法は適用対象外でしたが、法改正により、日本人に加えて外国人も住民基本台帳法の適用対象となり、外国人登録法は廃止となりました。
このため、東京都で公表している外国人人口は、平成24年7月までは外国人登録制度による人口、平成24年8月以降は住民基本台帳制度による人口となっています。
また、平成24年8月以降の住民基本台帳による人口には、日本人だけでなく外国人も含まれていますので、データを利用する際には、ご注意ください。
なお、住民基本台帳法の改正及び外国人登録制度の廃止については、総務省及び法務省のホームページをご覧ください。

 

 

人口データを用いた一般的な分析方法について

1 人口増加の分析

①増加人口と増加率

     人口増加数=当該時点の人口-前時点の人口

     人口増加率(%)=(当該時点の人口-前時点の人口)÷前時点の人口×100

②国勢調査人口の年平均増加率

国勢調査人口は5年おきであるため、国勢調査間の人口増加率は5年間のものですが、人口調査が不揃いである場合(例;昭和20~22年)には、人口増加や人口増加率を年平均に換算する必要があります。国をはじめ、多くの場合、幾何平均を用いています。人口が毎年一定の増加率で増加したものと仮定する考え方です。直線的に変化しない場合に適切です。

     国勢調査人口の年平均増加率=(当期人口÷前期人口)の5乗根-1×100

 

2 コーホート分析

ある年に出生した人口は、同時に出生した集団”コーホート”とよばれ、コーホートの時間的な経過をたどる観察の仕方を「コーホート分析」といいます。
たとえば、2000年(平成12年)生まれの人口は2005年(平成17年)に5歳となります。2000年生まれの人口が5年間でどのくらい変動したのかは、

     例) 2000年生まれの5年間のコーホート変化率=2005年の5歳人口÷2000年の0歳人口

で求めることができます。コーホート変化率によって団塊世代や団塊ジュニア世代など各世代(各コーホート)の人口の動きを知ることができます。将来人口の推計では、コーホート分析を応用した「コーホート要因法」や「コーホート変化率法」などの推計方法があります。(東京都の将来人口をご覧になりたい方はこちらへ

★Excelで人口分析を行う事例をご覧になりたい方はこちらへアイコン画像Excel(223KB)

*参考:山口喜一著、「人口分析入門」、古今書院、pp9-24 

■【Excel】、【PDF】及び【CSV】については、利用ガイドを参照してください。

お問い合わせ

人口統計課 推計人口担当

03-5388-2531(直通)

*お手数をおかけいたしますが(at)を@マークに変えて送信してください。
Eメール:S0000030(at)section.metro.tokyo.jp