1 | 変化率 物価の変化をみるときは、二時点の指数を単純に引き算するのではなく、変化率を用いて何パーセントの上昇(または下落)と表す。 ○二時点間の変化率の計算方法は次のとおりである。 当期の指数−前期の指数 指数の変化率(%) = ――――――――――――― ×100 前期の指数 このように、ある時点から次の時点までに指数が何パーセント変化したかという場合は、この二つの指数の差を前の時点の指数で割り、百分比で示すことになる。 二時点間の変化を表す変化率には、時点の取り方によって、いろいろな種類があるが、なかでも次のものがよく使われている。 |
2 | 寄与度 寄与度とは、ある品目または類の指数の変動が、総合指数の変化率に対し、どのくらい影響したかを示したものである。 寄与度は次の式により計算する。 |
当期のA項目の指数−前期のA項目の指数 A項目のウエイト
A項目の寄与度=―――――――――――――――――――×――――――――×100 前期の総合指数 総合のウエイト | |
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3 | ウエイト 2020年基準の消費者物価指数の計算に採用している582品目は、それぞれ値動きを異にしている。大幅に値上がりするものもあれば、値下がりするものもある。 ところで、家計上重要でない商品・サービスが少々値上がり(値下がり)しても生活費全体にはあまり影響しないが、米や生鮮食品等のように重要な商品・サービスの値動きは生活費に大きく影響を及ぼすことになる。 そこで、個々の品目の価格の値上がり、値下がりを、まとめてひとつの指数にする場合、個々の商品・サービスへの支出全体に占める割合、すなわち「ウエイト」を考える必要がある。消費者物価指数では、このウエイトは「家計調査」の結果を用いており、基準年の1年間に家計で購入した個々の品目ごとの支出額が家計の消費支出全体に占める割合を、各品目ごとのウエイトとしている。 (新型コロナウィルス感染症の影響により、2020年基準については、2019年及び2020年の2年間の消費支出額を使用している。) 総務省統計局は、令和2年8月27日の公表分から、2020年基準のウエイトを用いて、消費者物価指数を計算している。 家計の消費支出額全体のウエイトを10,000とすると、東京都区部の場合、例えば、米類は48、鶏卵は21、みそは7、電気代は262などとなっている。 なお、一般の指数品目のウエイトは、年間を通じて固定して設定しているが、生鮮食品(生鮮魚介、生鮮野菜及び生鮮果物)のように季節によって出回りや支出の状況が著しく異なる品目については、月々の相対割合を変える月別ウエイトを設定している。 |
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4 | 持家の帰属家賃 持家に住んでいる世帯は、元をたどれば土地や住宅を購入したことにより、住宅からのサービスを受けている。そして、その多くの世帯が住宅ローンの返済を行っているので、何らかの方法で持家世帯の住宅費用を計算できないかという問題が出てきた。 そこで、持家に住む世帯が、自分の家に住むことにより受けるサービスを消費していると考え、このサービスの額を一般の市場価格、つまり民営借家の家賃で評価したものが、「持家の帰属家賃」である。 |
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5 | 生鮮食品指数 消費者物価指数では、生鮮魚介、生鮮野菜及び生鮮果物をまとめて、「生鮮食品」と呼んでいる。これらの品目は、もともと値動きが激しく、季節的にも出回りの状態によって価格が変動するという特徴をもっている。 2020年基準指数(2020年=100)では、生鮮食品は60品目で、内訳は、生鮮魚介が15品目(ウエイト 102)、生鮮野菜が29品目 (ウエイト 194)、生鮮果物が16品目(ウエイト 90)である。このうち39品目については、月3回の価格調査を行っており、指数計算上も、各品目の月別ウエイトを用いて計算するという特別の取り扱いがされている。 「生鮮食品指数」は、このような特殊性を考慮して、それらを一本にまとめた指数で、『東京の物価』第4表(東京都区部消費者物価中分類指数)の末尾に再掲している。 生鮮食品指数は、「生鮮魚介」、「生鮮野菜」、「生鮮果物」の3分類の指数をそれぞれのウエイトで加重平均して求める。 生鮮食品指数=(生鮮魚介指数×生鮮魚介ウエイト + 生鮮野菜指数×生鮮野菜ウエイト + 生鮮果物指数×生鮮果物ウエイト) ÷(生鮮魚介ウエイト + 生鮮野菜ウエイト + 生鮮果物ウエイト) |
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6 | 生鮮食品を除く総合指数 生鮮食品を除く他のすべての分類をまとめた指数が「生鮮食品を除く総合指数」である。 次の計算式で算出する。 総合指数×総合ウエイト−生鮮食品指数×生鮮食品ウエイト 生鮮食品を除く総合指数=―――――――――――――――――――――――――― 総合ウエイト−生鮮食品ウエイト |
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7 | 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数 生鮮食品及びエネルギーを除く他のすべての分類をまとめた指数が「生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数」である。政策判断等の基礎となる消費者物価の指標は、家計の消費全体に占める割合が大きく、より総合に近いものが望ましいと考えられ、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が「総合」に占めるウエイトは約9割となっている。また、物価の基調を適確に見るには、一時的な要因や外部要因を除くことが有用と考えられる。生鮮食品は天候要因で値動きが激しく、エネルギー関連品目(ガソリン、電気代等)は海外要因で変動する原油価格の影響を直接受けることから、これらを除く指数は物価動向のより適確な把握に有用である。 次の計算式で算出する。 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数=(総合指数×総合ウエイト − 生鮮食品指数×生鮮食品ウエイト − エネルギー指数×エネルギーウエイト) ÷(総合ウエイト − 生鮮食品ウエイト − エネルギーウエイト) |
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社会統計課 物価統計担当
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