例えば、私たちの身のまわりの集団、つまり学級全体で、テレビ番組がどのように見られているのかを知りたいとします。一人一人にどのくらいテレビ番組を見ているのかをきいてみても、全体の特徴はわかりません。では、学級全体の様子を知るためには統計をどのように利用すればいいか、これから考えてみましょう。
テーマが決まったら、どのような目的で調査をするのか、調査にはどのような情報が必要か、その情報を集めるために何をすればいいのかを考えてみましょう。
どのような目的で調査をするのでしょうか。目的をきちんと設定すると、疑問を解決するのに必要な情報は何かが浮かび上がってきます。
例)勉強や部活で充実する中学生の生活において、テレビ番組がどのような位置付けを果たすのかを知るため。
生徒に人気のある番組を調べることで、生徒がどのようなことに関心をもっているのかを知るため。
目的が決まったら、どのようなことを調べればいいのかを考えてみましょう。日常の中のふとした疑問から、いろいろなことをふくらませてみましょう。
例)テレビ番組を、1日に平均何時間見ているのか。
一番人気があるテレビ番組の種類は何か。
男子と女子で、好きな番組に違いはあるのか。
部活をしている人としていない人で、テレビを見る時間に違いはあるのか。
など、いろいろな疑問を書き出してみましょう。
調査の目的を決めたら、誰に対して調査をするのかを明確にしましょう。周りの人に聞いてみるだけではなく、学級全体のような広い範囲を対象にすることで、全体の特徴や傾向を知ることができます。周りの友達の数人に聞いただけでは、情報に偏りが出てしまうおそれがあります。
例えば、「中学生の生活とテレビ番組」というテーマで、自分たちの学年の生活にテレビ番組がどう結びついているのかを調べるとします。
調べる対象は「学年全員」なのか「学年の男子」だけなのか、それとも「学年の女子」なのかをはっきりさせましょう。男女の違いで関心や生活の仕方が変わるなど、調べる範囲によって結果が違ってくるからです。
このように、「全体の数」をはっきりさせると、その集団の平均値や傾向を知ることができるようになります。
例)中学校の生徒全員。
テーマに合った情報を集めるためには、どうすればよいでしょうか。アンケートやインタビュー、書籍やインターネットの調査など、いろいろな方法を考えて計画を立ててみましょう。
体力測定の結果などを知りたい場合は、実際に測定して記録をとります。自然のしくみやものの確率などを調べる場合には、観察や実験をするという方法もあります。